電子書籍
幸徳環境設計では、「未来の子供たちの笑顔」をテーマにしております。
このーページの電子書籍を無料にて配布しております。
画像をクリックするとPDFにて閲覧できます。
おれは雑草
長く永い冬は終り、大地に緑が芽吹く頃。おれは、長い冬の眠りから目覚めた。「あー、よく寝たな」俺は、雑草。野にある緑の大部分を占める雑草だ。そう、おれ達が大地を緑一色に染め上げる。… …。
そうなんだよ。そういう事なんだよ。おれ達雑草が一番だ。……。
おれは、雑草である事を誇りに思う。おれは、雑草である事を幸せに思う。そうだろ。そういう事だ。そうなんだよ。
トランプの箱
むかしむかしのそのむかしトランプのうみにかこまれたよっつのくにがありました。
よっつのくに(スペード、ダイア、クローバ、ハート)は、とてもなかよしでした。
しかしあるときよっつのくにの人たちは、いろのちがいかたちのちがいからけんかになってしまいました。
… … 。
一匹狼
一匹狼とは、よく言ったもんだ。
そんなに格好いいもんじゃないのにな。
・・・奴らは、俺を勝手にボスに仕立て上げ、俺を盾に、ほかの連中、群れと渡り合ってきた。
俺がいなけりゃ、何もできない連中だ。けれど、俺自身も何なんだ。
ムーダ
あなたは、ムーダをしっていますか?
ムーダは、あなたのまわりにいつもいます。
そう、いまも。… …。
ムーダは、ひとのきぶんをかんじることができます。
そして、そのひとのきぶんによって、3しゅるいのいろ(おれんじ、ねずみいお、あかいろ)をしたムーダがあつまってきます。
… … 。
あなたは、なにいろのムーダをあつめますか?
ほたるのひかり
「命をけずって光ること、それになんの意味があるんだ」
ゲンジボタルの成虫は、オスで平均6日、メスで平均15日の寿命です。
そして食事をとることなく、つゆ(水)を飲むだけで、光り続けます。
もっこ
梅雨明け間近の、少し蒸し暑い夜だった。川面には、うっすらと霧がかかる夜だった。夜空には、星がきらめく美しい夜だった。そんな夜。そんな夜にもっこは現れる。もっこが、蛍たちにまぎれて現れる。
… …。蛍たちは、信じている。蛍たちは、願っている。蛍たちは、疑わない。蛍たちは、笑顔を絶やさない。蛍たちは、感謝している。
そうすれば、もっこが現れると… …。
トビーのぼうけん
飛ぶことが大好きな、とびうおのトビー。うみが荒れた日は、とびうおたちは、とぶことができない。しかし、そんな荒れた日にもかかわらず、トビーはがまんしきれずに、海面へとびだし、ぐんぐん、ぐんぐん、いつもより長くとんでしまいました。すると、いつの間にか、中間からはぐれてしまいました。
そんな、とびうおトビーが、仲間を追いかけて広大な海を旅しながら成長していく物語です。
やっほー
ぼくたちコダマの仕事は、人間たちが谷から叫んだ言葉を、山側から間違わないように、同じ言葉を返す事です。
地味ですけど、とてもやりがいのある仕事です。
だって、ぼくたちがきちんと言葉を返すことで、みんなが笑顔になってくれるんだもん。そうでしょ。
とべない鳥と 一匹の猫
「その鳥は夕方現れ、飛べなかった」
この言葉が、その鳥の生態に関する唯一の記録である。
島全体の長さが1.6kmしかない無人島に、海の安全を図るために灯台を建設することが決まった。その小島に一人の灯台守が一匹の猫を持ち込んだことから話は始まる。
両の瞳
ぼくらは、両目がないままどこかで売られているようだ。
いったい、ここはどこなのだろうか?
「君は、君ができることの全てをやってきたんだよ。・・・・・・・・だから、今日は安心して、ゆっくりおやすみ。・・・・・・・」
烏の独り言
勝手なカラスの独り言です。
人間様、どうぞ聞き流してください。小生は、七人兄弟の末っ子として、この世に生を受け、名前を「カー」と言います。そんな、カラスの「カー」が都会へ旅立ち、人間社会とそれを取り巻く環境を通して、感じたことを綴った18羽の物語……。
雪ん子
ゆきんこ、コンコン、ふってきた。
ゆきんこ、ズンズン、ふってきた。
つめたいそらからふってきた。
… …。
… …。
やがて、かぜがやんだとき、ゆきがこぶりになったとき、
ゆきんこ、どこかにいっちゃった。
ゆきんこ、どこかにいっちゃった。
クリオネの海
クリオネたちは、ほっかいどうのうみに、1がつころ、りゅうひょうといっしょにあらわれます。りゅうひょうのしたには、たくさんのちいさないきものが、あつまっています。クリオネたちは、このしたにあつまっているちいさないきものをたべているのです。そして、ほっかいどうのうみから、りゅうひょうがきえる3がつころにクリオネたちもいなくなります。
扉
確かにあった、ここに扉が・・・。
古びた白い扉があったはずの場所には、大きく空に向かってそびえ立つ山桜が、少年の背丈より高い位置に、白い花を咲かせていた。
けれど少年は、茫然と立ちつくしたまま、その先の存在には、まったく気づくことがなかった。
ライオン
ここは、アフリカのサバンナ。あめのふるきせつは、すぐにおわりサバンナは、すぐにかわきはじめます。だんだんへっていくみずたまりには、さまざまなどうぶつたちが、あつまってきます。そして、みずたまりには、ライオンもやってきます。ですが、ライオンが、みずたまりにちかずくと、みんなのすがたは、みえなくなります。そんな、みんなのきらわれライオンが、いちりんのはなと、であうことからこころにへんかがおこります。